梅干しに使う梅を水に浸してあく抜きしたら変色してしまう事があります。
黄色く熟した梅だったのに、水につけたら茶色っぽくなってしまったり、変色だけでなくふやけてぶよぶよになってしまうと結構ショックですよね。
こうなってしまった梅の実で梅干しを作る事はできるのでしょうか?
せっかくの梅ですから、できれば無駄にしたくない。
梅のあく抜きに失敗した場合梅干しに使えるのか、梅干しを作るにはどうしたらいいのかをご案内します。
その他の梅しごとについてはこちら⇒梅しごとの疑問・トラブル解決まとめ
梅干しに使う梅をアク抜きしたら変色してしまった
梅酒や梅シロップを作る時、青梅を水にさらしてあく抜きしたりします。
同じように梅干し作りの時に梅をあく抜きしたら茶色く変色してしまった!という事があります。
きれいな梅が変色してしまうとショックですし、使えるのかどうか心配になりますよね。
こうなってしまった梅の実ですが、使えるかどうかは状況次第となります。
でもその前に、梅干しに使う梅の処理について確認しておきましょう。
梅干しの梅はあく抜きしない!
梅干しに使う梅は青梅ではなく熟した梅です。
甘い香りのする完熟の梅を使います。
青梅はもちろん熟していないので、そのまま梅シロップなどにすると苦味やえぐみがあります。
もちろん梅の種類にもよりますが、一度筆者があく抜きしないで作った梅シロップはえぐすぎて飲める代物ではありませんでした。
ですので青梅の場合はこのえぐみを取るためにあく抜きが必要となります。
一方熟して黄色くなった梅は、熟す過程でえぐみが自然と抜けていきます。
ですのであく抜きの作業はする必要がありません。
そして実が熟すと皮も実も柔らかくなって水を吸いやすくなり、実も傷みやすくなります。
抜くアクがありませんので、わざわざ水に浸けて傷みやすくなるような事をする必要がないのです。
ただ、、拾ってきた梅から虫を出す為とか種が実から離れやすくなるように水につける場合もあると思います。
その場合でも水につける時間は2時間以内です。
2時間以上水につければ変色するものだと考えて下さい。
基本的に黄色く熟した梅干し用の梅は、愛を込めてやさしく水洗いするだけで大丈夫ですよ。
必要なのはあく抜きではなく、梅への愛です。
梅をあく抜きして茶色っぽく変色したものは使える?
うっかりあく抜きして黄土色というか、茶色っぽく変色してしまった梅干し用の梅。
この変色した梅で梅干しを作る事は出来るのでしょうか?
そこが一番気になる事です。
水につけて茶色っぽくなってしまった梅なんですが…
梅がカビたり腐っていなければ一応梅干しはできます。
水につけてうっすら茶色く変色してしまっただけなら何とか使えます。
腐って無ければ大丈夫ですが、濃い茶色で明らかにダメそうなものは使えません。
使える梅でも変色した物は注意しなくてはいけない事があります。
それは、水につけて変色した梅はカビが生えたり腐りやすくなるという事です。
ですので、漬ける時にカビや傷みを防ぐために対策をすると安心です。
そのポイントをご紹介します。
梅干し作りのカビと傷み対策① 塩分濃度
塩分濃度が低いと菌が繁殖しやすくなります。
ですので、変色してしまった梅で作る場合、減塩の梅干しにするのは諦めましょう。
最低でも塩分を18%以上にするようにして下さい。
昔ながらのしょっぱくて酸っぱい梅干しにすれば、100%ではありませんがカビや傷みを防ぐ効果があります。
梅干し作りのカビと傷み対策② 酢と焼酎を加える
塩加減だけじゃ不安な時、塩漬けする時に殺菌効果のある酢を加えます。
酢は梅2kgに対して1/2カップ(100ml)入れます。
このとき、アルコール度数が35%の焼酎も酢と同じ量入れると更に効果ありです。
カビ予防の方法ですが、梅酢が上がってきたら梅自体を空気に触れさせないようにする事も大事です。
そこで、ちょっと普通の梅干しではありませんが、カビや傷みを更に防ぐ漬け方もご紹介します。
梅干し作りのカビと傷み対策③ 梅を酢に漬けこむ
通常の梅干し作りの場合、最初は塩漬けにして梅酢が上がってくるのを待ちますよね。
この塩漬けにしている時が一番カビが発生しやすい期間です。
ですので、カビを防ぐのなら酢漬けにするやり方で梅干しにするといいです。
最初から空気に触れないように酢に漬けてしまえばかなりの確率でカビや腐るのを防げます。
作り方はNHKのきょうの料理を参照してください。
酢漬けの『さしす梅干し』は甘い梅干しです。
酸っぱくてしょっぱい梅干しにしたい場合は、最初にご紹介した塩分濃度と酢と焼酎で対策して作ってください。
もし変色した梅で梅干しを漬けるのが心配なら、この次↓にご紹介する方法で梅を活用してみて下さい。
梅を水につけすぎてぶよぶよになった物は梅干しにできる?
熟した梅を水につけて茶色く変色しただけでなく、水を吸ってふやけてぶよぶよになる物もあります。
中には水につけすぎたせいか皮がむけている物も…
残念ですがこうなった梅の実で梅干しは作れません。
水を吸って水分が多すぎる為、これで梅干しを作ると腐ってしまう可能性がかなり高いです。
梅干し作りには使えません。
水につけすぎてふやけた梅を活用するには?
このようにふやけてぶよぶよになってしまった梅の実、そのまま捨てるのはもったいないですよね。
なんとか救済して梅干しを作りたいところですが、残念ですが梅干しだけでなく梅酒、梅シロップにも使えません。
でも、この梅を活用する事はできます。
梅のあく抜きに失敗した物は、梅ジャムにしてしまいましょう。
ジャムなら煮詰めるので余計な水分は飛ばせます。
熟して柔らかい梅の実がふやけているなら種も取り出しやすいはずです。
早速作り方をご紹介しますね。
【梅ジャムの作り方】
■材料の目安
・熟した梅 1kg
・砂糖 700g~1kg
※梅自体が酸っぱいですので、梅と同じ重さの砂糖を入れても酸っぱめのジャムになると思います。
砂糖の量はお好みで…
■作り方
①梅のヘタを取り、包丁で切れ目を入れて種を取る。
②梅をみじん切りにしたり手で握りつぶして鍋に入れ、砂糖と混ぜる。
③中火にかけて沸騰したら弱火にして15分~20分程とろみがつくまで煮詰めて完成!
完成したら煮沸消毒したビンに詰めて保存しましょう。
ジャムの保存の仕方はこちら↓を参照して下さい。
⇒ジャムの保存方法 瓶以外の容器は使える?どれくらいの期間もつ?
作る時に注意したい事があります。
ジャムや甘露煮を作る時は、アルミや鉄の鍋を使うと梅の酸で変色してしまいます。
ですので作る時はホーロー鍋や土鍋を使う事をオススメします。
また、自家製ジャムは市販のジャムみたいにゼリー状のとろみがあまり付きません。
もし、とろみが欲しければスーパーの製菓コーナーにある『ペクチン』を仕上げに使うとトロトロになりますよ!
筆者はいちごジャムにペクチンを使いましたが、市販のジャムのような固さになって感動しました。
最後に
梅干しとか梅シロップとかを作る時は結構気合を入れて作業を始めますので、最初の段階で梅に異常が発生すると結構ショックですよね。
今回は梅干しでしたが、梅干しにはほとんど完熟梅を使いますのであく抜きは必要ありません。
熟した梅はあく抜きしようとして水につけておくと今回のようなトラブルが発生します。
変色しただけなら何とか梅干しにできますが、ふやけてしまうともう無理です。
でも、ジャムにするという方法がありますので、梅を水につけすぎた場合も無駄にはなりません。
ジャムは怪我の功名、ひょうたんからコマという事で。
次回からの梅干し作りの時には梅を水に浸けないようにして下さいね。
その他の梅しごとに関する疑問やトラブルに関してはこちらにまとめてあります。
ご覧ください。