梅干しを作るのに青梅を追熟させたりしますよね。
この追熟に失敗する事があります。
完熟するまでにカビが生えたり梅の実がしわしわになってしまったりする事が多いです。
そして完熟したのを見分けられず腐らせてしまう事も…
上手に追熟させるにはどうしたらいいのでしょうか?
今回は青梅の追熟中のトラブルを防ぐ方法と追熟の目安の日数、見極め方についてご案内します。
その他の梅しごとについてはこちら⇒梅しごとの疑問・トラブル解決まとめ
梅を追熟している時のカビを防ぐには
青梅を追熟している途中でカビが生えてしまう事があります。
特にヘタ周辺に気付くとふわ~っとしたカビが。
こんなのを見ると風の谷のナウシカのあの子供の歌が聞こえてきませんか…?
カビが生えてしまった青梅はもう使えません。
もったいないですよね。
そこで、青梅を完熟梅にするまでにカビを防ぐにはどうしたらいいか、そのポイントをご紹介します。
梅の追熟方法の確認
追熟の方法は色々ありますよね。
ビニール袋に入れて冷蔵庫とか、常温に置いておくとか、ザルや新聞紙に広げておくとか。
こうも情報が多いと迷ってしまいます。
梅ではないのですが、一般的にキウイフルーツとかはりんごと一緒にビニール袋に入れておけと言われますよね。
今回の場合は青梅。
カチカチで固い梅です。
この梅をカビさせないように追熟させる方法は、ザルに広げておく事です。
ビニール袋に入れておくと湿気がこもるのでカビが生えやすくなります。
通気性がいいザルに広げる方式で追熟しましょう。
そしてザルに梅を広げる時には梅同士が重ならないようにします。
そのため使うザルは梅干しを天日干しにする時に使う平らな物を使うといいですよ。
このように梅をザルに広げたら、新聞紙をかけて風通しの良い直射日光が当たらない所に置いて追熟させます。
そして完熟状態になるまでマメに梅の様子を見て、もしカビが生えている物を発見したらすぐに取り除くようにして下さいね。
通気性を良くする事でカビの発生はだいぶ抑えられます。
ザルの水分について
ここで使うザルですが、これを梅を広げる直前に洗わないようにして下さい。
キレイなザルを使いたい気持ちはわかりますが、そうするとカビの原因になります。
ザル自体に湿気があると、やはりカビが生えやすくなります。
梅だけでなくザルにもカビが発生します。
ですので、ザルを洗うなら前日に洗っておいて、完全に乾かしてから使うようにして下さい。
また、梅も洗わずに追熟させます。
洗うとヘタに水分が残りやすく、そこから腐ったりカビが生えやすくなります。
梅を洗うのは梅干しを仕込む直前だけでいいですよ。
梅の追熟でしわしわになるのを防ぐ!
青梅の追熟中にはカビの他、梅がしわしわになるというトラブルも発生しやすいです。
このしわしわ、ただ梅が乾燥してしまった事が原因なのですが、こういった事態も避けたいですよね。
しわしわを防ぐには、乾燥を防ぐ事と早く追熟させなくてはなりません。
その方法をご紹介します。
青梅の追熟中の乾燥を防ぐには
先程のカビのお話の中で追熟方法をご紹介しました。
この時「新聞紙」が出てきましたね。
実はこの新聞紙がポイントなのです。
新聞紙をかけるのはホコリが付かないようにする為だと思いますよね。
もちろんホコリもそうなのですが、余計な乾燥を防ぐ為でもあります。
そのまま梅を空気にさらしておくと、梅はどんどん乾燥してしまいます。
新聞紙を1枚かける事で適度に乾燥が防げます。
ですので新聞紙はかけるようにして下さい。
もし梅がカチカチに固い青梅で追熟に日数がかかりそうで梅の表面が乾燥してきたように見える場合、そんな時は途中で水分を補ってあげましょう。
これは霧吹きで梅にシュッと水をかけてあげるだけでいいです。
霧吹きをする場合は1日1回、ほんの少しでいいです。
梅が濡れる程シュッシュと霧をかけると、今度はカビが生えやすくなります。
水分補給は絶対必要な事ではありません。
梅の様子を見て平気そうなら何もせず置いておきましょう。
梅の追熟を早める
そのまま梅を置いておくとシワシワになったりカビが生えたりとトラブルが起きやすいです。
そうなる前に早く追熟を完了させたいですよね。
追熟を促進させる方法は、実は先程の追熟の仕方に潜ませてあるんですよ~。
ちょっとご説明しますね。
梅だけでなく果物を熟させるための必須アイテムは『エチレンガス』です。
りんごやメロン、桃などはエチレンガスの発生量が多い果物として有名です。
梅自体も自分でエチレンガスを発生させて熟します。
このガスを上手く使う為のアイテムが、実は先程から何回か出ている新聞紙です。
梅をザルに広げて置いておくだけでは梅から出たエチレンガスが空気中に拡散してしまいます。
「追熟は風通しのいい所で…」とご案内しましたが、風通しが良ければ尚更ガスは拡散して梅を熟させる効果が弱くなってしまいます。
そこで新聞紙をかぶせて風を防ぐのです。
こうするとエチレンが梅の周りから逃げにくくなりますので梅が熟しやすくなるという訳です。
さりげなく梅の上に1枚かけておくだけの新聞紙ですが、乾燥を防いだり追熟を促進させたりといい働きをしてくれます。
梅の追熟にかかる期間は?
青梅の追熟をして、わかりにくいのは完熟のタイミングではないでしょうか?
まっ黄色にならないとか、触って柔らかさを感じないとかで完熟したタイミングを逃してしまったりする事があります。
完熟した梅は折り返し地点を過ぎ、腐敗の一途をたどります。
梅が熟したタイミングを見極めるポイントをお伝えしますね。
青梅の追熟は何日でできる?
追熟の期間は梅の青さ加減や環境にもよりますが、1日~5日でできます。
黄緑のものであれば1日置けば追熟完了となる事もあります。
完熟の一番の目安は香りです。
フルーティーな香りがしてきたら追熟完了の目安です。
また、色も緑っぽさが消えて黄色になります。
黄緑になってから芳醇な桃に似た香りが出て完熟するまでは結構短い時間です。
こまめに様子を見て、このタイミングを逃さないようにして下さい。
1日以上放置していたら腐っていた…という事もありますから。
ちなみに完熟した後の梅がどうなるかというと、まず香りがしなくなります。
そして茶色く変色してきます。
要するに腐りかけの状態になるのですが、変色した実がふにゃふにゃで柔らかく、皮が破れて中身が潰れて出てきます。
カビも生えてきますよ。
ですので、梅が黄緑になって香りが出てきたらとにかく頻繁に様子を見て心の準備をしておきましょう。
「今だ!」というタイミングを逃すと折り返し地点を過ぎて腐敗に向かいますよ。
ちなみに、真っ黄色にならなくても黄緑色で香りが出ていれば梅干しは作れます。
黄緑ならあく抜きもしなくて大丈夫です。
最後にしわしわになった梅の活用法をご紹介
梅を上手く追熟させるのは結構難しいです。
毎回何個か犠牲になる梅が出てきます。
実は追熟させる青梅があまりにも未熟な状態だとかなりの確率で失敗するそうです。
割と黄緑に近い梅だと追熟の成功率は高いようですね。
ちなみにしわしわになった梅で梅干しを漬けようとすると、水分が少ないので梅酢が上がりにくかったりする事があるようです。
出来ない訳ではありませんが、梅干しを作るのはおすすめできません。
しわしわ梅は取り除いて梅干しを漬けて下さい。
でも、しわしわ梅もそのまま捨てるのはもったいないですよね。
そんな梅たちを救済する事はできます。
梅干しにはできませんが、シワシワ梅は青くてもジャムや甘露煮にする事ができます。
捨てる前に気を取り直してこちらに再生させてあげれば梅も喜ぶのではないでしょうか。
その他の梅しごとに関する疑問やトラブルに関してはこちらにまとめてあります。
ご覧ください。