梅干し作りの最後の土用干し、これが天気などタイミングが合わなくて出来ない事があります。
梅雨明けの土用の時期、もしくは暑い夏場に干さないと梅干しは作れないのでしょうか?
天日干しするタイミングが遅れて秋に干しても大丈夫なのでしょうか?
干すのが難しい場合、あわよくば干さずに梅干しを作れないかとも思います。
そこで今回は真夏に梅干しを土用干し出来ない時にどうしたらいいかご案内したいと思います。
その他の梅しごとについてはこちら⇒梅しごとの疑問・トラブル解決まとめ
梅干しの土用干しがタイミングが合わず出来ない!
梅を塩漬けにして、上がってきた梅酢に漬けて約1ヵ月後に土用干しをします。
しかし、梅雨が明けても夏場は天気が安定しませんよね。
急に台風が進路を変えてやってきたり、気付いたら台風シーズン、秋の長雨シーズンに突入してしまったり。
仕事が休みの時に干そうと思っていても、その休みの日が晴れないとなかなか干せません。
さらに夏休み期間なので外出したりして忙しく梅を干すどころじゃなかったり…
様々な理由から梅干しを土用干しするタイミングが掴めない事もあります。
こんな場合はどうしたらいいのでしょうか?
梅干しを土用干しする時期は?
梅干しを干す時期は一般的に梅雨が明けた夏の一番暑い時期です。
土用の期間に干す事が多いので土用干しと言われます。
なぜこの時期に梅干しを干すのかというと、ただ単に梅を収穫して塩漬けし、ちょうど梅が漬け上がったタイミングだからです。
昔から6月位に梅を漬け始め、それから約1ヶ月後が土用に当たったので土用干しと言われているだけです。
干すのは『梅が漬かったタイミング』ですので、もちろん遅い時期に梅を漬け始めれば土用の時期を外れた頃になります。
干す時期がずれても天日干しすれば梅干しになります。
土用の期間や真夏の暑い時期に干せなくても良い天気が続く時に干せば万事OKです。
そもそも土用っていつ?
突然ですが土用っていつなんでしょうか?
土用の丑の日は人々がうな丼を求めてハッスルし、うなぎ屋の看板やテレビやネットでも情報が出ます。
まぁこの周辺が土用なんだろうな…位の認識だと思います。
もちろん土用の期間というのは決まっています。
実は土用の時期というのは年に4回あります。
これは二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間の事を言います。
梅を干すのは夏ですので、立秋前の18日間です。
ちなみに2019年の立秋は8月8日です。
梅干しの土用干しを秋にしてもいい?
夏に梅干しを干せないまま9月に突入してしまう…
9月に入ると今度は台風や秋の長雨シーズンとなります。
なかなか干すタイミングが掴めなかったりしますよね。
その後天気が安定するのは涼しくなってからになります。
10月になると晴れた日も多くなりますよね。
突然雷雨になる事もありませんから、干しやすいですよね。
でも、梅干しを干すのは夏の暑い時期です。
炎天下の直射日光に当てて干すのが一般的に言われる梅干しの作り方。
涼しくなった秋に干してもいいのでしょうか?
梅干しを秋に干すのはアリ!
梅干しは土用干し、真夏の土用の時期に干すと言われています。
が!
秋に干しても全然大丈夫です。
先程も申しましたが、むしろ秋の長雨シーズンが終わってからの方が天気が安定するので干しやすいです。
真夏の強い日差しと暑さはありませんが、空気が乾燥してきますので乾きやすいです。
農家さんでも10月になってから梅干しを干しているお宅がありますから、全然問題ありません。
ただ、真夏の太陽に当てなくていいのか、梅酢に漬けっぱなしで大丈夫なのかが気になると思います。
この2つに関しても全然問題ありません。
太陽の光は真夏のギラギラした熱い熱線でなくても大丈夫です。
こちらでちょっとご紹介しましたが、日光に当てて天日干しするのは主に消毒の為。
秋でも冬でも紫外線殺菌はできますので問題ありません。
そして塩分15%以上の梅酢なら、梅をしっかり沈めてつけておけばダメになる事はありません。
うっかりカビが生えないように毎日様子を見て入れ物を時々揺すって保管するといいですよ。
夏に梅干しを干すのは、梅が初夏に実るからです。
実を塩漬けしてから約1ヵ月後の梅に塩分がしっかり浸透したタイミングで天日干ししているだけです。
きっと梅が秋に生る実だったら初冬に干す事になっていたでしょう。
さらに秋にも立冬前の土用の期間があります。
2019年の立冬は11月8日です。
ある意味立冬より前の10月後半に梅を干しても土用干しと言えますね!
なのでいっその事干し柿と一緒に梅を干してもいいのかもしれません。
寒い時期に干す時は、梅に霜が降りたり凍ったりしないように注意です。
梅干しは土用干ししないで作れるのか?
梅干しを干す時期が遅れて秋に干すのもいいですが、タイミングが掴めないと段々干すのが面倒くさくなってきます。
気持ちが疲れてきます。
もう梅を干すのはやめて、このまま干さずに作れないものか…
それができればとっても楽ですよね。
梅干しを干さないで作れるか?
梅干しを干さない。
干さなくてもいいのかと言えば、干さなくても大丈夫です。
塩漬けにして梅酢がきちんと上がり、1ヵ月以上漬けてあればOK。
そのまま完成でもいいです。
ただし正確には梅干しではありません。
なぜなら梅を干すから梅干しと呼べるからです。
ですので、干さなければ梅干しではなく『梅漬け』となります。
結構この梅漬けを作る人も多いですよ。
そしてスーパーに売っている梅干し、例えば新進(しんしん)の『味梅』なども干していないものです。
梅漬けの作り方はただ梅干しを作る過程で天日干しをしないだけです。
そしてもちろん干して作る梅干しとは食感が違います。
梅漬けにすると水分が多いので、トロっとした食感になります。
ちなみに色は紫蘇を入れていなければ茶色っぽくなります。
梅酒や梅シロップの梅と同じような色ですね。
梅漬けの保存について
梅干しは干して水分を飛ばす事で塩分濃度が高くなり、保存性が高くなります。
干さない場合は干した時よりも保存できる期間は短くなりますが、それでも長い期間保存しておく事ができます。
梅漬けを保存する時は、梅を完全に梅酢につけた状態で日の当たらない涼しい場所に保存します。
塩分濃度が15%以上になるように作った物であれば、約2年保存できます。
12%の塩分なら保存は1年が目安です。
10%以下の低い塩分であれば殺菌力がありませんので冷蔵庫に入れて保存し、出来るだけ早めに食べるようにします。
なぜ10%にこだわるのかと言うと、菌が繁殖できない塩分濃度が10%以上だからです。
そして赤紫蘇を一緒に漬けているのなら取り出して保存しましょう。
紫蘇を入れっぱなしにしておくと黒くなってしまうからです。
紫蘇だけ取り出したら、干して乾燥させて『ゆかりふりかけ』にしてしまうのが良いですよ!
最後に
梅を干す時期は夏場でなくても問題ありません。
要するに適度に乾燥させて保存性を高められればいいのです。
一般的には7月とか8月に干しますが、9月や10月に干してもいいのです。
干すのを諦めて梅漬けにするのもアリです。
一番ダメなのは「梅干しを干さなければ…」と強すぎる使命感を感じてストレスになる事です。
ゆるく考えて楽しく梅干しを作りましょう。
その他の梅しごとに関する疑問やトラブルに関してはこちらにまとめてあります。
ご覧ください。