かぼちゃの煮物は意外とうまくできないですよね。
ホクホク上手くできる事もありますが、皮だけ残してドロドロに煮崩れたり、逆に水分が飛んでパサパサになったり、火が通っていても皮は固かったり剥がれたり…
なかなか難しいです。
そんなかぼちゃの煮物がうまく作れるように、失敗の原因と作り方のコツをご紹介していきます。
かぼちゃの煮物が煮崩れする原因
まずはかぼちゃが煮崩れる、皮だけ残して溶けるように崩れる原因を見てみましょう。
煮崩れの原因① 煮過ぎ
かぼちゃは生だと固いので長めに火を通してしまいがちですが、意外と火が通りやすいです。
しっかり柔らかくしたい、そして味をしみ込ませたいと長く煮てしまうと…
案の定煮崩れます。
煮汁が沸騰してから10分も煮れば大体火が通ります。
竹串をかぼちゃに刺してすっと通るようになったら火を止めましょう。
それだと味がしみないのでは…と思いますが、その点については後述しますね。
煮崩れの原因② かぼちゃの種類による
かぼちゃが水っぽくべちゃっとなったり煮崩れてしまうのはかぼちゃの種類が原因であることがあります。
かぼちゃには日本かぼちゃと西洋かぼちゃがあります。
それぞれの違いはどんなものなのかというと、日本かぼちゃは水っぽくねっとりしますが、煮崩れしやすいです。
一方西洋かぼちゃはホクホクした食感で甘みがあります。
煮崩れにくくてホクホクの煮物にしたければ西洋カボチャを選ぶといいですよ。
西洋かぼちゃと日本かぼちゃは見分けがつきませんが、お店で商品名が『栗かぼちゃ』となっていれば西洋かぼちゃです。
他、『えびすかぼちゃ』や『みやこ』も栗かぼちゃの仲間です。
スーパーで売られているかぼちゃはえびすかぼちゃが多いようです。
しかし、スーパーでは『かぼちゃ』としか書いてなくて種類がわからない事がけっこうあります。
こうなると水っぽくなるかホクっとなるかは作ってみないとわからない…
そんな時、どちらでも対応できる作り方のコツをこれからご紹介しますね。
かぼちゃの煮物を上手く作るコツ
日本かぼちゃの場合、うまくいけばねっとりしっとりした食感の煮物になります。
西洋かぼちゃはホクホクした食感が特徴ですが、下手すると水分が少ないパサパサモソモソの煮物になります。
せっかくかぼちゃを煮るのですから、どちらのかぼちゃであってもおいしい煮物に仕上げたいですよね。
そこで、どちらの種類であっても煮崩れしない、しっとり味のしみたかぼちゃの煮物の作り方のコツをご紹介します。
かぼちゃは同じ大きさに切る
かぼちゃはできるだけ同じ大きさに揃えて切りましょう。
大きかったり小さかったりと大きさが違うと火の通りにムラができます。
もちろん小さく切ったものは大きい物より先に柔らかくなりますので、大きい物が柔らかくなる頃には煮崩れてしまったりします。
全てのかぼちゃが同じタイミングで火が通るように大きさを揃えてカットして下さい。
かぼちゃの水分を煮る前に出す
水分の多いかぼちゃ、主に日本かぼちゃと西洋かぼちゃを同じ水の量で煮ると仕上がりが全然違うものになります。
西洋かぼちゃでちょうどいい水の量で煮ると日本かぼちゃは煮崩れてしまいます。
ヘタすると皮だけ残して実の部分が溶けたという事にも…
また、西洋かぼちゃも水分が少なくてモソモソした感じになってしまったりします。
それを避けるために、煮る前にかぼちゃから水分を出しておきます。
やり方は簡単です。
①まず、かぼちゃを切って鍋に並べます。
②そして煮汁の味付けに使う砂糖をかぼちゃに振りかけます。
③そのまま半日程放置します。
④半日するとかぼちゃから水が出ていますので、その水分は捨てず、かぼちゃがひたひたになるくらいに煮汁の水の量を調整して入れて煮ます。
砂糖以外のしょうゆなどの味付けの調味料は煮る直前に入れてくださいね。
かぼちゃは煮ている時に動かさない
煮ている時にいじったりゆすったりすれば煮崩れリスクが発生しますよね。
菜箸でつついたりするのはもちろんダメですが、煮汁がボコボコ沸騰するのもかぼちゃがゆすぶられるので危険です。
沸騰してからは火を弱火にしてコトコト煮るようにしましょう。
また大きな鍋で煮て、かぼちゃが自由自在に泳ぎ回るような状態も避けた方がいいです。
かぼちゃを重ならないように並べてちょうど収まる大きさの鍋で煮るといいですよ。
煮るのはかぼちゃに火が通るまで!
最初にご紹介した通りなのですが、味をしみ込ませようと長い時間煮れば煮崩れます。
実は、長く煮たからといって味はしみ込むもんではありません。
そこで煮崩れさせずに味をしみ込ませる方法をご紹介しますね。
かぼちゃは以外と火が通りやすいです。
中火にかけて煮立ったら火を弱め、そこから落としぶたをして10分~15分煮れば火が通ります。
竹串をかぼちゃに刺してすーっと通ったら、そこでためらわずに火を止めます。
そして、そのままかぼちゃを煮汁に浸した状態で放置します。
冷めた時にはかぼちゃに味がしみていますよ。
実は煮物の味がしみるのは煮ている時ではなく、火を止めて冷めていく時なのです。
そして一番味がしみ込むのは温度が70℃~50℃の時です。
ですので、よーく味をしみ込ませたいのであれば、鍋の温度をできるだけ70℃~50℃にキープできるようにするといいですよ。
鍋の保温は3、4枚重ねた新聞紙で包んでからバスタオルやブランケットなどで巻いて置けばできます。
大体3時間もすれば煮崩れなしの味のしみたかぼちゃになっています。
煮物には蓄熱鍋を使うのがオススメ
この味を染みこませる保温、普通の鍋であれはこうやって色々な物で包んだりして面倒なのですが、蓄熱鍋を使うとそのまま放ったらかしでいいのでとても楽ちんです。
蓄熱鍋とは鍋自体が魔法瓶のように熱をキープする事ができる鍋の事です。
煮物なら火にかけてから10分煮て、そこで火を止めてそのまま放置で出来上がってしまうので、ガス代も時間も節約できてとても経済的で便利です。
お鍋自体は性能がいいので値段がお高めですが、今後のガス代と時間の節約にもなりますよ。
蓄熱鍋のついて詳しくはこちら
⇒土鍋のbestpot(ベストポット)
かぼちゃの煮物を皮まで上手く煮るには
かぼちゃのオレンジ色の実の部分がうまくできても、皮だけ固かったりはがれてしまったりする事があります。
そこで、この皮まで上手く煮るにはどうしたらいいかもご紹介していきますね。
かぼちゃの煮物の皮が固いのはなぜ?
かぼちゃを煮てみたものの、実の方は火が通っているのに皮が固いという場合、以下の原因が考えられます。
その改善方法も一緒に見てみましょう。
皮に火がちゃんと通っていない
皮が固い原因の一つは、皮に火が通っていない事です。
鍋にかぼちゃをランダムに入れて煮ていませんか?
皮が上を向いた状態で煮れば皮にうまく火が通りませんよ。
ですので、実よりも固いかぼちゃの皮を下にして鍋に並べて煮てみましょう。
皮を下にするのは火を通すだけでなく、煮汁の水分を含ませて柔らかくする意味もありますよ。
かぼちゃの皮が厚すぎる
かぼちゃには皮が厚くて、たとえ皮を下にして煮ても固い物もあります。
あまり煮過ぎると今度は煮崩れしてしまいますから困った物です。
そんなかぼちゃに出会った時は、ところどころ皮を削ぎ落してからかぼちゃを切りましょう。
固くて厚い皮の面積を減らせば食べやすくなります。
完全にかぼちゃ全体の皮をむく必要はありません。
包丁やピーラーで固そうな部分を中心に軽く皮を削いで下さい。
包丁を使う場合はとにかく固いので手を切らないように注意!
かぼちゃの煮物の皮がはがれるのは?
かぼちゃの煮物を作っていると、皮の部分がはがれる事があります。
こうなる原因は、ズバリ煮過ぎです。
なぜ皮のちょっと内側部分にヒビが入ってはがれるのかというと、その部分が繊維の多い所だからです。
かぼちゃの緑の皮のすぐ内側は、中の果肉を守るため繊維が多く、しかも水分が少なく硬くなっています。
そのため煮ても焼いても緑の皮と果肉の間の部分はホクホクとかしっとりにはなりません。
しかも火を通す事でその部分の繊維も柔らかくなり、そこに亀裂ができるので皮がはがれてしまうのです。
かぼちゃの皮がはがれないように、竹串を刺してかぼちゃがやわらかくなったのを確認したら、そこで煮るのはストップして下さい。
あとの味付けは余熱に任せましょう。
最後に
かぼちゃの煮物を作る時の3大ポイントは以下の通りです。
- 大きさを揃える
- 煮過ぎない
- 煮る前にかぼちゃから水分を出す
- 皮を下にして鍋に並べる
かぼちゃの種類によっては溶けるように煮崩れするものがありますので、煮る前にかぼちゃから水分を出すとだいぶ違います。
かぼちゃは生の状態だと切るのも固くて大変ですし、油断して煮過ぎないようにしなくてはなりませんが、きれいにおいしくできると嬉しいですよね。
とにかく切る時に怪我をしないように気を付けて…ポイントを押さえて作ってみましょう!