栗の甘露煮を作ってみたけど、いつも栗が割れてしまう…
きれいな栗の形で作れたらいいですよね。
崩れないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
そこで今回は栗の甘露煮が割れる原因と割れないように作るコツ、そして粉々に割れてしまった栗の活用法をお伝えしていきます。
栗の甘露煮が割れる原因
栗の甘露煮を家で作ると、どうしても割れやすいです。
作ると必ず何個は割れますが、場合によっては使った栗の多くがボロボロになってしまう事も…
そこでまずは栗を甘露煮にした時に割れてしまう原因を確認したいと思います。
どれかに当てはまるはず…!
火が強い
栗の甘露煮は固い皮と渋皮をむいた栗で作ります。
この皮というガードがない栗は繊細でもろい存在です。
むき栗を茹でる時、そしてシロップで煮る時に火が強いと沸騰の泡で栗が動きますし、栗もぶつかり合ってしまいます。
沸騰によってサンバのごとく栗が鍋の中で踊ります。
その沸騰の泡の衝撃で栗が割れてしまうんですね。
ですので栗が沸騰の泡で踊らないように弱火にして茹でたり煮たりするようにして下さい。
茹でた後の栗のダメージ
火が通った栗は非常に繊細で割れやすくなっています。
下茹でした後ザルに上げる時やシロップで煮込む鍋に移す時に受けた衝撃も割れる原因の一つです。
栗を移動させる時は優しく、衝撃を与えないようにして下さいね。
栗の下茹で後に急に冷水にさらした
栗を水で茹で、火が通って柔らかくなったらザルに上げて水にさらす作り方があります。
この時、茹でてすぐの熱い栗をザルに上げていきなり冷水をかけてしまうと、温度差によって栗が割れる事があります。
茹でた後に栗を洗うなら、鍋に入れたまま適度に冷めるのを待って、それからザルに上げて洗うといいですよ。
茹で過ぎ・煮過ぎ
肉じゃがなどの煮物と同じですが、やはり栗も茹で過ぎたりシロップで煮込みすぎたりすると煮崩れして割れます。
特にシロップで煮る時は味を染み込ませたくて煮過ぎてしまう事があります。
実はシロップの甘味は煮ている時に栗に染みこむのではなく、火を止めて冷めていく時に染み込みますのであまり煮込まなくても大丈夫なんですよ。
栗の下茹では水が沸騰したら弱火にして約10分、竹串が栗にスッと通ればOK。
シロップで煮る時も弱火でせいぜい20分位で大丈夫ですよ。
栗の甘露煮が崩れないようにするには
栗の甘露煮が割れてしまう原因は先程ご紹介した通りです。
今度はその反省を踏まえ、栗が割れないようにするコツをまとめていきます。
とにかく弱火で!
火が強いと沸騰の泡で栗が踊ったり、栗同士がぶつかりあって割れてしまいます。
ですので水やシロップが沸騰し始めたら弱火にしましょう。
下茹でする時もシロップで煮る時も弱火でコトコト優しく、です。
ちなみに栗を強火で茹でると、割れるだけでなく栗の外側が柔らかくなりすぎて煮崩れる原因にもなります。
また、栗の量に対して鍋が大きすぎても栗が割れてしまいます。
これは空間が広すぎて栗と栗のスペースが開いてしまうと、弱火でも栗が動いてしまうからです。
鍋は栗の量に合った大きさの物を使って下さい。
栗を踊らせない落としぶた作戦
更に、栗を踊らせない為に落とし蓋を使うという手があります。
栗を火にかける時、弱火にして栗が踊らないようにしなくてはなりません。
しかし弱火にしても栗は動いてしまう事があります。
そこで茹でる時やシロップで煮る時に落とし蓋をして、栗が踊らないように押さえておくのです。
落とし蓋は紙ではなく、木製の物やお皿など適度に重さがある物を使って下さいね。
茹でた栗はとにかく優しく扱う
茹でた栗はホクホクです。
そのまま食べられるやわらかさです。
この栗を雑に扱うと真っ二つに割れたり粉々になってしまいます。
茹でた栗はとにかく丁寧に優しく扱うようにして下さい。
下茹でした鍋から上げる時、水にさらす時、シロップで煮る鍋に移す時、全ての工程でです。
栗にダメージを与えない茹で方として、栗をステンレスのザルに入れたまま下茹でする方法があります。
皮をむいた栗を大きめのステンレスのザルに並べて入れ、ザルがすっぽり入る大きな鍋にザルごと栗を入れて茹でるのです。
茹でた後は栗に触らずザルをそのまま鍋から引き上げればいいですし、水にさらす時もザルから栗を出さずにそのままできますよ。
ミョウバンを使う
栗の甘露煮を作る時、ミョウバンを使う方法があります。
ミョウバンは栗の煮崩れや割れを防ぐために使われます。
ミョウバン無しで甘露煮を作って割れる事が多いのなら、一度ミョウバンを試してみてはいかがでしょうか。
ミョウバンは栗の皮をむいた後、茹でる前に使います。
水1リットルに対し大さじ1杯のミョウバンを溶かし、そこに皮をむいた栗を1時間程つけてから水でよく洗い流します。
このミョウバン水によって栗の表面がしまるので割れにくくなるという訳です。
ミョウバン水につけた栗は良く洗ってから茹でて下さいね。
ミョウバンが残っていると今度は栗が固くなってしまいますよ。
酢で栗を割れにくくする
ミョウバンの他、酢も栗の煮崩れ防止と割れ予防に使われます。
酢は栗の下茹でをする時に水に入れます。
水1リットルに対して小さじ2杯の酢を入れて栗を茹でるだけです。
茹でた後は酢のニオイがちょっと気になりますので、茹でた後の栗は流水でやさしく洗って下さい。
砂糖を数回に分けて入れる
栗を煮るシロップですが、このシロップに最初から分量の全ての砂糖を入れてしまうと栗が割れやすくなります。
これは濃い糖分によって栗の実が縮んで割れやすくなるからです。
栗の実が縮むのを防ぐ為に、最初は分量の半分の砂糖を入れて栗を煮るようにして下さい。
そしてシロップが沸騰した後、弱火で5分位してから残りの砂糖を入れるようにするといいですよ。
栗がボロボロに割れた時の活用法
栗の甘露煮にはどうしても割れてしまうものが発生します。
割れた栗は形が悪いですし、小さくなっているのでそのままだと食べにくいです。
だからと言って捨てるのは絶対もったいないですしね。
そこで、この割れた栗の甘露煮をアレンジして食べる方法もご紹介したいと思います。
栗ようかん
形が悪くても栗の甘露煮ですから、これを使わない手はありません。
割れた栗が主役になる…それは栗ようかんです。
羊羹は材料も少なく、市販のあんこを使えば家でも簡単に作れますよ。
ここでは簡単にプリン型や小鉢で作るレシピを紹介します。
材料(プリン型4~6個分)
・割れた栗の甘露煮(汁なし)・適量
・市販のこしあん・・・・・・・300g
・粉寒天・・・・・・・・・・・3g
・水・・・・・・・・・・・・・300ml
・砂糖・・・・・・・・・・・・大さじ1~2杯(お好みで)
・塩・・・・・・・・・・・・・少々
※容器はプリン型のほか小鉢、タッパーなどでOK。お好みで。
■作り方
①鍋に水を入れ、粉寒天を振りかけて10分置いてふやかします。
②プリン型など容器を水で濡らしておきます。
③割れた栗の甘露煮を容器の中に入れます。
④鍋を中火にかけながらよくかき混ぜて寒天を溶かしていきます。
⑤沸騰してきたら砂糖を加えてよく混ぜます。
⑥弱火にしてこしあんを入れて混ぜます。
⑦塩を加えてよく混ぜたら火を止めます。
⑧かき混ぜながら粗熱を取ります。
⑨粗熱が取れてようかんの素が少しトロっとしてきたら型に流し入れます。
⑩冷蔵庫で冷やしてようかんが固まったら完成です!
※粗熱を取ってから型に入れないとあんこが沈殿してしまいますよ。
栗ぜんざい
割れて細かくなった栗は栗ぜんざいにしてもいいですね。
おしるこに入れるだけですから一番簡単に作れます。
そのおしるこも市販の物を使えば、すぐに作れちゃいますね。
栗入り蒸しパン
栗の蒸しパンも手軽に作れておすすめです。
これも栗ようかんと同じように「栗があるからこそ普通の蒸しパンと違うのさ!」と言わせる説得力があります。
レシピを紹介しますね。
■材料(約6個)
・割れた栗の甘露煮(汁なし)・適量
・ホットケーキミックス・・・・150g
・牛乳・・・・・・・・・・・・100ml
・たまご・・・・・・・・・・・1個
・砂糖・・・・・・・・・・・・大さじ2杯
・サラダ油・・・・・・・・・・大さじ2杯
■作り方
①蒸し器に水を入れ火にかけておく
②材料を全部ボウルに入れ、よく混ぜる。
③マフィンカップなどの型に生地を流し込む。
④蒸しパンの生地を入れた型を蒸し器に並べてフタをする。
⑤弱火で約15分蒸して、竹串を蒸しパンに刺して生地が付いてこなかったら完成です!
シリアルに混ぜて食べる
粉々に砕けた栗の甘露煮であれば、シリアルに混ぜて食べてしまいましょう。
最近はフリーズドライの栗やサツマイモを加えたグラノーラも売っていますし…
栗が味のアクセントになりますよ。
量が多ければマロンペーストに
崩れた栗の実が少々であれば蒸しパンにしたり栗ようかんにしたりして消費できますが、運悪くたくさんの栗がボロボロになってしまった場合は悔しいですし食べるのも大変ですよね。
もし大量の栗がボロボロになってしまったなら、せっかくですのでマロンペーストにしてみてはいかがでしょうか。
マロンペーストはシロップを切った栗の甘露煮と、栗の重さの半量の牛乳(栗が100gなら牛乳50ml)をフードプロセッサーにかけてペースト状にするだけで作れます。
ペースト状にするとパンに塗ったりアイスクリームに添えたりと食べ方のバリエーションも広がります。
もし大量の栗が割れてしまった場合はやってみる甲斐はありますよ。
最後に
栗の甘露煮は割れやすい物です。
丁寧に作ってもどうしても割れる栗は発生します。
割れる原因や割れないようにするコツは、弱火で煮て栗を優しく扱う事です。
優しく作って、きれいな状態で完成する栗が増えるといいですね!