桃がたくさんあって生のまま保存しきれない時にコンポートにしたりしますよね。
中には皮ごと煮る作り方があり、レシピには煮ると皮がつるんとむけると書いてあります。
しかし、実際やってみると皮が果肉にくっついて上手くむけなかったりしますよね。
これ、どうしてなんでしょうか?
なぜ皮がはがれないのでしょうか?
作り方がいけなかったのか、桃がダメだったのか、原因は何だったのでしょうか。
そこで、今回は桃のコンポートを皮ごと煮た時に皮がむけない原因と対処法についてご紹介したいと思います。
桃のコンポートの皮がむけない原因
桃のコンポートは桃を皮ごと煮る作り方があります。
そうすると煮てから皮をひっぱるとツルンとむけます。
そうなる事を信じて作ったのに、なぜか皮が果肉にくっついてむけない事が…
このくっついたままの皮を手でむこうとしたら、今度は果肉が崩れて見た目が悪くなってしまったり…
きれいなつるんとした表面のコンポートを作ろうとしたのに残念な結果になりますよね。
皮つきのまま桃を煮ればペロンと皮がむけるはずなのに、なぜ皮がむけないのか?
その理由として考えられる事は3つあります。
さて、あなたの桃のコンポートの皮がむけなかった原因は次のうちどれでしょう?
桃が熟していなかった
まず一つの原因は、使った桃が熟していなかった事です。
桃がまだ熟していない固い状態だと、煮ても皮はむけません。
なぜかと言うと、熟しきっていない桃の細胞は未熟で小さく、そして細胞同士がギュッと詰まって並んでいるから皮と果肉がはがれにくいのです。
桃が完熟状態になり、細胞が成長して皮と実の境界にある細胞の層がはっきり分かれないと、煮ても桃から皮がはがれません。
生で食べる時だけでなく、コンポートを作る時も桃がやわらかく熟すまで常温に置いて待つようにしてみてください。
桃の果肉が固い品種だった
桃には実がやわらかく皮と種が取りやすい品種と固くて皮がむきにくい品種があります。
固い種類の桃でコンポートを作った場合、皮も固く果肉と密着していますので、良く煮ても皮が果肉からはがれにくいです。
このような固い品種の桃を使う場合、薄く皮をむいてから煮た方がいいですよ。
桃もこういう↓皮むき器を使うときれいにむけそうですよね。
煮るのが足りなかった
コンポートは弱火で桃をコトコト煮ますよね。
シロップで桃を煮ていると皮がペロンとむけるようになるのですが、加熱が足りないと皮がむけてきません。
桃を煮ると皮がむけるのは、高温のお湯やシロップにつけておく事で皮の細胞が変質し、果肉からはがれるようになるから。
桃にスッと竹串が通る位まで柔らかく煮ると皮がむける確率が高いのですが、3、4分位サッと煮ただけだと皮と果肉がくっついてはがれない事がよくあります。
桃のコンポートに付いた皮をきれいにむくには
せっかく作った桃のコンポート、皮がつるんとむけずにくっついたままです。
煮て柔らかくなった桃から皮をむく時、コンポートがぐちゃぐちゃに潰れてしまう事があります。
この皮、きれいにむきたいですよね。
そこで、使った桃がどういった物だったかにもよりますが、コンポートにしてからの桃の皮をきれいにむく方法を2つご紹介します。
桃の皮を包丁でむく
使った桃が熟していなかった場合、これ以上煮ても皮がむける事はありません。
手でくっついた皮をむこうとすると、見た目が汚くなってしまう事もあります。
ですので、この場合は観念して包丁でコンポートに付いた皮を削ぐようにむいて下さい。
また、熟していない桃だけでなく、品種によっては完熟状態でも果肉がりんごのように固い桃があります。
こういった固い桃を使った場合も手ではきれいにむけませんので、包丁でむいて下さい。
桃の皮をスプーンやフォークでむく
完熟状態でも煮るのが足りなかったりちょっと固めの品種の桃の場合、包丁を使わなくても皮がむけることが多いです。
そういった場合はスプーンやフォークを使ってみましょう。
むき方は簡単。
フォークやスプーンで皮と果肉がくっついている部分をこすります。
皮のすぐ下の果肉、桃の表面だけを軽く潰すようなイメージです。
くれぐれも力を入れすぎて桃がぐちゃっと潰れてしまわないように力加減して下さい。
こすって果肉が柔らかくなると皮がぶよぶよした感じになります。
そうなったら端(桃の切り口)から皮をひっぱってむいてみましょう。
ペロッと皮がむけるはずです。
桃の皮がむきにくい品種について
ここまでで桃のコンポートを皮ごと煮て作る時、固い桃だと皮がむけない事があるとご紹介してきました。
だけど素人では固い桃がどういった物なのか品種を言われても区別がつきませんよね。
そんな訳で固い桃の種類の見分け方の目安についてもちょっとお話したいと思います。
固い桃の品種
桃は大まかに『白鳳(はくほう)』系と『白桃』系に分かれています。
実はこれが一番わかりやすい区別の仕方で、『白鳳』系は果肉が柔らかく皮も手でむきやすい品種、『白桃』系は果肉が締まっていて固めです。
名前に『白鳳』とか『白桃』と付いている事で見分ける事ができます。
でも、品種の名前に『白桃』と付いていない物もありますよね。
そこで固めの桃の品種を一部をご紹介します。
下に行く程固くなります。
・川中島白桃
・あかつき
・まどか
・なつっこ
・まなみ
・おどろき(とにかく固い)
・美晴白桃(とにかく固い)
他にもたくさん固い品種の桃があります。
特に下の2つ(おどろき、美晴白桃)は桃味のりんごのように固いそうです。
そこまで固いなら皮もりんごのようにむいてからでないとコンポートが作れませんね。
固い桃の見た目や出回る時期
果肉が熟しても固い桃は、わかりにくいかもしれませんが見た目でも判断する事ができます。
柔らかい白鳳系の桃に比べると、固い白桃系は大きい物が多いです。
「なんだかでかい桃だな…」と思ったら固い品種の桃である可能性がありますよ。
そして柔らかい桃と固い桃では出回る時期も違います。
もちろん品種によりますので全てがそうではありませんが、固い桃は柔らかい白鳳などより遅い時期に出荷されます。
固い桃の多くは8月に入ってから出回る事が多いです。
こうした事から大きめの桃を8月に買った場合、固い品種である可能性が極めて高くなります。
固い桃でコンポートを作る場合
固い品種の桃でコンポートを作る場合、皮つきのまま煮ても皮が上手くむけません。
ですので煮る前に皮をむいておく必要があります。
皮つきのまま半分に割って種を取り、包丁を滑らせるようにして薄く皮をむくのが一番簡単。
またはトマトのように湯むきするときれいにむけますよ!
桃のコンポートは桃を半分に切ったものをシロップで煮る事が多いですので、湯向きする時は桃をお湯にくぐらせてから半分に割って種を取り、最後に皮をむきます。
具体的には桃の種にしっかり当たるまで包丁を入れ、ぐるっと一周切り込みを入れます。
それを沸いているお湯の中に20秒入れ、その後氷水につけます。
そして桃をつぶさないように軽くひねって半分に割って、種をスプーンでくり抜き皮をむきます。
桃の湯むきのポイントは熱湯に浸ける時間です。
20秒よりも短いと皮がツルンとむけません。
湯むきは果肉よりも細胞の大きさが小さい皮が熱によって縮む事で出来ます。
20秒未満だと熱による細胞の収縮が足りず、果肉と皮がくっついた部分が残って上手くむけない事があります。
そして氷水は桃を冷ます事と皮を更に収縮させるために付けます。
桃を丸ごと湯向きするのは割と簡単にできますが、このように半分に切って種を取る場合はちょっと難しいです。
お湯につけた後に桃をひねって半分にしようとすると皮がズルンとむけて上手くいかない事がしばしば…
更に種と果肉が外れにくく、ひねっても種によって二つに分かれなかったりします。
これを上手くやるには包丁をしっかり入れる事と力加減がコツなのかもしれません。
最後に
コンポートにする時にも桃を追熟させて一番おいしい状態にしてからでないと皮が剥きにくいです。
熟していない桃は直射日光の当たらない室温に置いて1日~3日するといい香りを放って柔らかくなります。
そうなってからコンポートも作るといいですね。
8月以降は固い桃がメインになってきますので、煮て皮がむけそうでなければ煮る前に皮はむいて下さいね。
柔らかい品種でも固い品種でも桃の状態を観察して、皮ごと煮るかどうかは判断して下さい。