らっきょうの甘酢漬けを作ると、漬けている液が濁ってくる事があります。
そしてらっきょうの中には青くなる物があったり、ピンクに変色する物があります。
見た目からして食べて平気なのか?と不安になりますよね。
また、最初はカリカリだったらっきょうもふにゃふにゃになって歯ごたえが無くなってきたりします。
なぜこんな風に変色したり食感が変わってしまうのでしょうか?
その理由と食べても大丈夫なのかどうかについてご案内していきます。
らっきょうの漬け汁に濁りが発生したけど平気?
らっきょうを甘酢漬けにしていたら、漬けている液に濁りが発生した…!
通常は透明な状態の汁が濁ると、嫌な予感しかしませんよね。
この液に漬かっているらっきょうは無事なのか、食べられるのか不安になります。
このようにらっきょうを漬けている酢が濁る原因は、ほとんどの場合が菌の増殖によるものです。
漬ける前に保存瓶の消毒が上手くできていなかったり、完成したらっきょうを食べる度にフタを開けたり締めたり、取り出す為に使った菜箸やらスプーンやらによって雑菌やカビが入る事が原因です。
また、らっきょうを保存している場所の温度が高いと菌が繁殖しやすいので漬け汁が濁りやすくなります。
雑菌が入ったらっきょう、何か嫌ですが…
これは食べても平気なのか気になりますね。
らっきょうが食べられるかどうかは、らっきょう自体の状態によります。
らっきょうがパリパリ歯ごたえがあって、味も問題がなく普通に食べられるものであれば大丈夫です。
逆にらっきょうがふにゃふにゃに柔らかくなっていたり、ヌルヌルしていたり、食べてピリッと刺激を感じたりアルコールのニオイがするようなものは残念ですが諦めましょう。
液が濁ったらっきょうの保存の仕方
漬け汁が濁ってもらっきょう自体が無事だった場合、今度はどう保存したらいいかですよね。
さすがにこの雑菌が繁殖して濁った漬け汁にそのまま漬けておくと、らっきょうがダメになってしまいます。
ではどう保存したらいいのか、その方法をご紹介します。
■らっきょうの保存の仕方
①まず、らっきょうを取り出して水洗いします。
②らっきょうの水をよく切るだけでもいいですが、ザルに広げて軽く天日干しして表面を乾燥させます。2時間位干せば乾きます。
③漬け汁を作り直します。煮立てたら完全に冷まします。
④消毒した保存瓶にらっきょうと甘酢を入れて漬け直します。
この時の漬け汁なのですが、もし濁った液でも味見をして異常がなければ再利用できます。
再利用する場合は漬け汁を鍋に移し、アクを取りながらフツフツ沸騰させて加熱殺菌してください。
火を止めたらよく冷まして再度らっきょうを漬けましょう。
こうやって加熱することで漬け汁の発酵を止め、再び漬けておく事ができますよ。
ですが、一度濁った液を使うのに抵抗があるなら味に問題がなくても作り直した方がいいですね。
らっきょうが変色してピンクや青い色になった!
らっきょうが変色する事もあります。
しかも、何故かピンクや青に。
紫っぽくなる事もあります。
ほんのり色付く程度の物もあれば、中にはまるで翡翠のようにきれいな青色になる物もあります。
色はきれいですがすごーく不安な気持ちになります。
何か中毒でも起こすようなものが発生したんじゃなかろうか?と思いますよね。
でも、ピンクとか青に変色するのは意外にも大丈夫なのです。
これは両方ともらっきょうに含まれる成分が酢の酸や鉄分と反応して出てきた色です。
ピンクは植物によく含まれているポリフェノールの一種『アントシアニン』が酸に反応して出てきた物。
青色はらっきょうの辛味と臭いの素である『アルキルサルファイド化合物』という物質が鉄分と反応して出てきた色です。
いずれも化学反応が起こって色が出ただけです。
何か体に害のある物質ができた訳ではありません。
見た目は悪いですが味は普通のらっきょうと変化はありませんので食べられますよ。
らっきょうがふにゃふにゃに柔らかくなるのはなぜ?
らっきょうは歯ごたえがシャキシャキしているのがおいしいですよね。
こちらでご紹介しているように、パリパリに漬けるポイントもあります。
そしてカリカリのらっきょうに仕上がっても、保存しているうちにふにゃふにゃと柔らかくなってしまう事が多いです。
固く歯ごたえがあってカリカリ食べられないとおいしくないです。
食感って大事ですよね。
柔らかくなったらっきょうも味がおかしくなければ食べても平気です。
ただ、漬けてから時間が経つと柔らかくなるのは避けられません。
いつかその日は来るのです…
らっきょうは漬けてから大体半年を過ぎたあたりから柔らかくなり始めます。
進行具合にもよりますが、1年経つと歯ごたえが無くなっている事が多いです。
おいしく食べるなら半年~1年経つ頃には食べ終わるようにするといいです。
常温に置いておくよりも冷蔵庫の方が長い期間パリパリの食感が保てますよ。
ちなみになぜらっきょうが柔らかくなってしまうのかというと、保存しているうちに細胞同士の結びつきが無くなってしまうからです。
らっきょうには細胞同士を繋げているペクチンという物質があります。
このペクチンによってらっきょうが固くシャキシャキとするのですが、酢に漬けているとペクチンが水分と反応して分解してしまいます。
その結果、細胞同士の結びつきがなくなるので、らっきょうが固さを保てずふにゃふにゃに柔らかくなってしまうのです。
一度やわらかくなったらっきょうを再びカリカリに戻す事はできません。
だけどそのまま食べてもおいしくないです。
柔らかくなったらっきょうはみじん切りにして酢豚やチャーハン、タルタルソースに入れたりして食べる事をおすすめします。
最後に
このように保存食として作っているものに異変が生じると動揺しますよね。
たくさん作った場合はダメになってしまうとかなりショックです。
今回ご紹介したように、柔らかくなってしまった物はどうにもできませんが、らっきょうを漬けている液が濁った場合はらっきょう自体が問題なければ漬け直して保存できます。
漬けてからはあまり長い間放置せず、定期的に様子を見るようにするといいかもしれないですね。
また、らっきょうを漬けた大きな容器のフタを食べる度に開け閉めすると傷みやすくなってしまいます。
菌が入るのをできるだけ防ぐために、ある程度の量をまとめてタッパーや小さめの瓶に移し、いつでも食べられる用として冷蔵庫に入れておくといいかもしれませんね。