イチゴジャムを作るのにレモン汁を入れます。
砂糖の種類もグラニュー糖、鍋もホーロー鍋を使うと書かれたレシピが多いです。
ところでこのレモン汁は絶対入れないといけないのでしょうか?
砂糖も家庭にある上白糖や三温糖ではダメなのでしょうか?
アルミやステンレスの鍋しかない事もありますよね。
そこで、イチゴジャムはレモンなしでも作れるのか、砂糖の種類や鍋の素材がレシピ通りでなくても大丈夫なのかお話していこうと思います。
イチゴジャム作りにレモン汁は絶対必要?
ジャムの作り方を見ると、あらゆるレシピにレモン汁を入れると書いてあります。
しかし、イチゴが大量に家にあってもレモンがない事は多いですよね。
レモン汁はイチゴジャムを作る際にないとダメなのか、そしてわざわざレモン汁を入れる理由は何なのか見ていきましょう。
イチゴジャムを作る時にレモンを入れないとダメなのか?
ありとあらゆるレシピに「レモン汁」と書いてありますが、実際のところレモン汁がなくてもイチゴと砂糖さえあれば作れます。
レモン汁は風味付けとジャムを上手く作れるように入れるものです。
いちごジャムをきれいに、更においしく作る為のものですので、そこにこだわらなければレモン汁なしで大丈夫です。
イチゴジャムにレモンを入れる理由
レモンが無くても作れるのに、なぜレモン汁を入れるのか?
理由は「きれいに、更においしく」する為なのですが、具体的な役割をご紹介します。
イチゴジャムにとろみを付けるため
ジャムにはゼリー状のとろみがあります。
このとろみを上手くつける為にレモン汁を入れます。
ジャムのとろみは果物に含まれているペクチンという物質が高温で加熱され、糖と酸と結びつく事で固まってできるものです。
いちごと砂糖だけでもペクチンと糖と酸味というとろみをつける為の要素がありますが、そこにレモン汁の酸を加える事でとろみがつきやすくなります。
逆に言うとレモン汁を入れないとジャムが水っぽい食感になりがちです。
イチゴジャムを色よく仕上げるため
ジャムを煮ているとイチゴの赤い色がくすんできます。
そこにレモン汁を加えると、色が明るく鮮やかになります。
これは、苺の色素であるアントシアニンがレモンのクエン酸に反応して構造が変化し、色が変わる為です。
きれいな色に仕上げたい場合はレモン汁を入れる事をおすすめします。
味を引き締めて風味を出すため
イチゴを砂糖で煮ていると、イチゴの酸味は砂糖によって消され、風味も飛びます。
そこで、レモン汁を入れて酸味を加えてさわやかな風味を追加するのです。
レモンを入れる事で味が引き締まります。
イチゴジャムはレモンなしでも作れます。
ただ、レモン汁を入れた方がジャム特有のとろみが付きます。
ゼリー状のとろとろ感を出したいのなら、レモン汁を入れる事をおすすめします。
生のレモン汁でなく、ポッカレモンとかでもOKです。
ジャムのとろみはレモン汁を入れても苺の状態や砂糖の量によっては付かない事があります。
詳しくはコチラをご覧ください。
⇒イチゴジャムを手作りしたらとろみがない!イチゴの色が抜けて白っぽい、黒くなる原因と解決法をご紹介!
イチゴジャムはグラニュー糖でなく上白糖でも作れる?
ジャムのレシピには、レモン汁だけでなく砂糖はグラニュー糖とも書かれています。
筆者のグラニュー糖のイメージはスティックシュガー。
日本の家庭で一般的に使われているのはグラニュー糖より上白糖ですよね。
できる事なら家にある砂糖で作りたいですよね。
ジャム作りに上白糖や三温糖などを使うのはどうなのか?
なぜレシピにはグラニュー糖と書かれているのはなぜか、ご説明しますね。
ジャム作りにグラニュー糖を使うワケ
実際のところジャム作りにはグラニュー糖が一番おすすめなのですが、これはジャムに余計な色や風味が付かず、クリアに仕上がるからです。
グラニュー糖はサトウキビなどの一番純度が高い糖液から作られていて、成分のほとんどはショ糖です。
余計なものが入っていないので砂糖から出るアクが少なく、ジャムの色がきれいになります。
砂糖自体にクセがありませんので、ジャムにも味や香りにクセが付きません。
そのため、ジャムの作り方を見るとグラニュー糖を使うと書いてあるのです。
他の砂糖の種類ではどうなのか?
グラニュー糖以外の上白糖でも三温糖など、他の種類の砂糖でもジャムは作れます。
雑な言い方ですがジャム作りに使う砂糖が何であろうと作れます。
ただ、砂糖の種類によってクセが出ます。
グラニュー糖の次にきれいにできるのは上白糖です。
ただ、上白糖はショ糖に転化糖が加わったものですので、焦げ色が付きやすいです。
ですので、グラニュー糖に比べるとジャムが若干黒っぽくなります。
そしてグラニュー糖に比べるとアクが多く出ます。
三温糖となると砂糖自体に色が付いていますので、当然黒っぽくなります。
黒糖に至っては色もそうですが、独特の黒糖風味が付いてイチゴの風味を消してしまいます。
お好みですが黒糖だけは向いていないと言えます…
そしてトレハロースやパルスイートなどの人工甘味料でも作れますが、これらを使うとジャムにとろみが付きにくいです。
ジャムを煮る鍋がホーロー以外でも大丈夫?
そしてジャムのレシピには「ホーロー鍋で煮る」と書かれている事も多いです。
しかし、ホーロー鍋がない事もありますよね。
使うのはアルミやステンレスの鍋でもいいのかまとめてみました。
イチゴジャムを煮る鍋はアルミやステンレスだとダメ?
これも砂糖の種類同様、どんな素材の鍋でもジャムは作れます。
ホーロー鍋を使う事が推奨されているのは、ホーローが金属をガラスでコーティングした素材だからです。
アルミや鉄の鍋はイチゴやレモンの酸に弱く、化学変化(腐食よ!)を起こして鍋やジャムが黒くなってしまいます。
また、少ーーしだけ金属が溶けだしますので、特に鉄鍋だと鉄っぽい味がついたりします。
そのような理由から、アルミや鉄鍋でジャムは作れる事は作れるけどやめた方がいいと言われるのです。
ホーロー鍋はこの酸に弱いアルミや鉄がコーティングされていますので、金属が直接ジャムに触れません。
それによって酸による腐食が起こりませんので、古くからジャム作りに使われているのです。
他にコーティングされている素材だとテフロン加工の鍋がありますが、これも鍋を傷めず変色などを防いでジャムが作れます。
また、アルミと見た目が似ているものでステンレス鍋があります。
鉄丸出しだから使えなさそうですが、ステンレスもジャム作りに向いています。
ステンレスは果物の酸に強いのです。
ただしステンレスでジャムを煮ると水分が蒸発しやすいですので、焦がさないように気を抜かないでかき混ぜ続ける必要があります。
鍋も砂糖と同じで、色やニオイが気にならなければどんな鍋でも作れます。
ジャムができたらしっかり保存もしておきましょう。
⇒ジャムの保存方法 瓶以外の容器は使える?どれくらいの期間もつ?
最後に
イチゴジャムにレモンを入れたりグラニュー糖を使ったり、鍋もホーローを使うのはそれなりの意味があります。
しかし、ジャムの色とか風味とか、そういう事を気にしなければレシピ通りにグラニュー糖やホーロー鍋を使わなくても全然作れます。
レモンに関してはとろみを付ける為に入れた方がいいかもしれませんが、これもお好みです。
きれいに作りたければグラニュー糖とホーロー鍋を使い、仕上げにレモン汁を入れるといいのですが、そこにこだわりがなければ家にあるもので作るのでいいかと思います。