潮干狩りで採った貝はできるだけ鮮度を保った持ち帰り方をしたいですよね。
たくさん採れても家に着いた頃に貝が傷んでいたらがっかりです。
そうならないために、貝たちをできるだけ潮干狩りの海にいた時のように元気な状態で持ち帰るコツがあります。
また、潮干狩りが終わってから家まで持ち帰る時間が長くかかってしまう事もありますね。
そんな場合は何時間もつのか心配になります。
せっかく採った貝ですから、いい状態で持ち帰れるように方法やコツ、長時間かかる場合の対処法を確認しておきましょう。
潮干狩りで採った貝の持ち帰り方
潮干狩りで採った貝の持ち帰り方は『海水につけない状態で持ち帰る』のが鮮度を保てるのでベストです。
そして砂出し用にあさりが住んでいた海の水を別の容器に入れて持ち帰って使いましょう。
まずはその持ち帰りの方法をご紹介します。
持ち帰り方
■必要な物
- クーラーボックス
- 保冷剤や氷(ペットボトルに水を入れて凍らせたものがいい)
- 新聞紙
①採ったあさりたちを真水で洗います。流水で表面の砂や汚れを落としましょう。
②まずクーラーボックスに氷や保冷剤を入れます。
③その上にきれいな海水でぬらした新聞紙を何枚か重ねて敷きます。貝に直接氷が当たらないようにするためです。
④新聞紙の上に、ポリ袋や網に入れたあさりたちを愛を込めてそっと乗せます。
⑤さらに乾燥を防止するため、あさりの上に海水で濡らした新聞紙を乗せます。
⑥暑い日であればさらに保冷剤をその上に置いてフタをしましょう。
あさりは温度が高くなると弱ってしまいますので、保冷剤や氷などの冷やす物は必要です。
また、冷え過ぎも元気がなくなってしまいますので、直接保冷剤や氷に貝が触れないようにしましょう。
水がなくても平気なの?と思うかもしれませんが、あさりは干潮で潮が引いた状態の中でも生きていますので大丈夫です。
クーラーボックス内で砂出しさせながら持ち帰るという手もあります。
ただし持ち帰り時間が1、2時間位で、道中あまり振動がないという条件付きです。
一見「持ち帰り中砂出しできるからすぐに食べられる!」と思いますが、実はあまりおすすめできません。
一応やり方をご紹介します。
砂出しさせながら持ち帰る方法
①貝に直接触れないようにクーラーボックスの底に保冷剤を入れる
②その上に上げ底の為のザルや金網などを敷く
(吐き出した砂をまた吸わないように底に落とす為)
③そのザルや網の上にあさりを並べる
④海水を貝がひたひたになる位まで入れる。入れすぎないように。
⑤揺れても海水がこぼれないようにしっかりクーラーボックスのフタを閉じる。
こんな方法で砂出しさせながら帰路に着くこともできます。
ただ、もう一度言いますがこの方法で持ち帰るならやっぱり1、2時間で到着できる距離に限ります。
それ以上時間がかかるならおすすめしません。
なぜならあさりを海水に入れた状態で持ち帰ると傷んでしまうからです。
保冷剤を入れておいても時間が経つにつれ容器内の水温は上昇します。
海水に浸かっていなければ貝は生存本能から口を閉じて呼吸をしません(理由は後述します)。
海水があると呼吸をするので酸欠にもなり、貝にとってツライ環境になります。
広い海と違いたくさんの仲間たちと狭い入れ物の中にぎゅうぎゅう詰めにされています。
そして口を開いて水管を出している時、車の振動で貝を閉じて管を切ったりする子もいます。
そんな環境にいればあさりは弱ってしまいます。
また、あさりが砂出しするのは暗い所で振動や騒音のない静かな所です。
持ち運び中は揺れますし音もそれなりにしますので、上手く砂出しできるとも限りません。
以上の理由から、海水につけない状態であさりを持ち帰る方法をおすすめします。
潮干狩りの持ち帰りのコツ
潮干狩りで取った貝を持ち帰る方法は確認できました。
そこで、潮干狩り会場から貝をいい状態でお持ち帰りするためのコツも確認しておきましょう。
持ち帰り前に真水で洗おう
あさりは真水に入れておくと死んでしまいますが、可能なら持って帰る前に真水の流水で洗いましょう。
貝の表面についた腸炎ビブリオ菌や大腸菌などを洗い流すためです。
食中毒の原因になる腸炎ビブリオ菌は真水と熱に弱いので、持ち帰る前に菌を落としておきましょう。
自宅でもよく真水で洗って加熱調理すれば問題ありませんよ。
ちなみに真水で洗う位であさりは死にませんから大丈夫。
腸炎ビブリオ菌とは
感染すると6~12時間の潜伏期の後に、激しい腹痛を伴う下痢(ときに血便) を発症。
嘔吐、発熱(37~38℃)を伴うことがあります。
2、3日で回復しますが高齢者、子供、免疫力の弱った人は重症化する事もあります。
症状としてはノロウィルスと同じような感じですね。
保冷用の氷について
保冷剤を使うならいいのですが、氷を使う場合はペットボトルの水を凍らせたものが便利です。
普通の製氷機で作った氷であればジッパー付きの袋などに入れてしっかりと口を閉じておきましょう
なぜならクーラーボックス内でも氷はとけていきます。
真水で作った氷が溶けだしてあさりを浸していたら死んでしまうかもしれません。
ですので、ペットボトル氷が安心です。
氷を現地調達する場合は、コンビニやスーパーでロックアイスを買って袋を開けずにそのまま入れるといった手もあります。
砂抜き用の海水の確保
あさりは元々住んでいた環境の海水で砂抜きしてあげたいので、海水を汲んで持ち帰ります。
慣れた環境に近づけてあげればあさりもストレスが少なくなりますからね。
その後食べられてしまうんですが。
海水はなるべく深い所の水温が低い水を帰る直前にペットボトルなどの容器に入れます。
もしくは潮干狩りの場所によっては海水の出る水道があったりしますので、そういう所からあさりが馴染み親しんだ海の水を持って帰りましょう。
あさりの砂抜きの方法はこちらをご覧ください。
⇒あさりの砂抜きのコツ 閉じたままはもうダメ?冷凍後のやり直しはできる?
潮干狩りの持ち帰りに時間がかかっても平気?
できれば短い時間で持ち帰れればいいのですが、別の場所に立ち寄ったり1泊してから帰路に着く事もありますよね。
そのような状況で持ち帰りに長時間かかるなら、当然持ち帰りは貝を海水につけない方法に限ります。
それでクーラーボックス内を10℃位に保てるのであれば翌日帰宅するのでも大丈夫です。
温度が上がるとあさりも弱って傷みます。
翌日まで持たせるなら、保冷剤を交換したり氷を調達して入れ替えたりして温度管理には気をつけましょう。
なぜあさりは長時間海水につけなくても大丈夫なのか?
海の中ではあさりはエラ呼吸をしています。
しかし潮が引いて海水が無くなるとエラ呼吸ができません。
あさりは海水がない時は呼吸をやめ、体の内に蓄えていたグリコーゲンという物質を使って生き延びています。
その間は呼吸しなくても平気です。
そういった生態のため、海水につけなくても数日は生きていけるのです。
ちなみにあさりのうま味成分の1つであるコハク酸は、あさりが呼吸を止めてグリコーゲンを使っているときに作られます。ですので海水に付けない状態で持ち帰った方があさりもおいしくなります。
まとめ
潮干狩りで自分で収穫したあさりですから、持ち帰っておいしく食べたいですよね。
最後に簡単にまとめてみましょう。
- 貝を持ち帰り用のケースに入れる前に真水で洗う。
- あさりを持ち帰る時は海水につけない状態の方が鮮度が保てる。
- 温度が高いと弱ってしまうので保冷剤や氷は必要
- 氷を直接貝に触れさせない
- 持ち帰りに時間がかかるようなら温度管理に気をつける
以上です。
潮干狩りに行くとかなり疲れてしまいますが、帰宅後ぐったりしてくれぐれもあさりを放置しないように気を付けてくださいね。