米麹の甘酒がどういう訳が酸っぱい…
甘いはずの甘酒になぜ酸味があるのでしょうか?
酸っぱくなった甘酒は飲んでも大丈夫なんでしょうか?
そもそもおいしくないですが…
もし飲めるのなら酸味を消して甘い甘酒にする事は出来るのでしょうか?
今回は米麹甘酒がすっぱい原因と活用法についてご紹介していきますね。
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甘酒が酸っぱい原因は?
米麹とご飯で甘酒を作ったら酸っぱくなってしまった経験ありませんか?
筆者はあります。
いつも喉が焼けるほど甘く仕上がる甘酒なのですが、
どういう訳かこの時ばかりは口に入れた瞬間
「…すっぱ!」
となったあの日。
割と酸味が強かったので、己の味覚をごまかして飲むには無理がありました。
時間をかけて作った甘酒なのに…
悔しさでいっぱいです。
この時の失敗の原因として考えられる事は、甘酒を作っている事を忘れて放置してしまった事。
いつも8時間くらい発酵させているのですが、この時は軽く10時間経過。
「ハッ!」と気付いた時には酸っぱいお粥に…
しかしなぜいつもより2時間程長く放置してしまっただけで酸っぱくなってしまったのか?
その原因は二つあります。
ご紹介していきますね。
甘酒が酸っぱい原因① 乳酸菌が繁殖した
ヨーグルトでお馴染みの乳酸菌。
実は甘酒は乳酸菌が繁殖しやすく、酸っぱいのはこれが原因です。
乳酸菌はある条件を満たすと活動が活発になり、酸味の元である乳酸を生み出します。
乳酸が作られた事によって甘酒が酸っぱくなってしまったのです。
また、酸っぱいだけでなく舌がピリピリする事もあります。
これも乳酸菌の仕業です。
乳酸菌は甘酒の糖を分解します。
この時、炭酸ガスを出す事があり、そのガスによって舌がピリピリするのです。
乳酸菌が繁殖した原因
甘酒を酸っぱくした乳酸菌、これが繁殖するには温度と糖が関わってきます。
米麹で甘酒を作るには温度管理が大事です。
50℃~65℃をキープする必要があります。
これはお米のデンプンを糖に変える酵素が一番元気に働く温度で、甘酒を甘くするのに必要だからです。
それだけでなく、60℃前後は雑菌の殺菌を押さえたり殺菌できる温度だったりもします。
牛乳の中には『低温殺菌』がされているものがありますよね。
低温殺菌された牛乳のパックには「66℃ 30分」とか書いてあります。
これは66℃の温度で30分温めて殺菌しましたという意味です。
このように殺菌するのに60℃位の温度にする事もあります。
甘酒も50℃~65℃の温度をキープして作れば雑菌の繁殖を防げるのですが、保温ジャーに入れて作っている間に温度が下がり、50℃以下の状態が続くと乳酸菌が活動し始めます。
そして活動を始めた乳酸菌は乳酸を作り、甘酒が酸っぱくなってしまうという訳です…
温度が下がるだけでなく、逆に70℃以上になった時も酸っぱくなる事があります。
これは植物性の乳酸菌によるものです。
70℃以上になると多くの菌が死にますが、植物性の乳酸菌だけは元気に活動します。
その唯一元気な植物性乳酸菌が作った乳酸によって酸っぱくなる事もあるんです。
ただ、70℃以上になってしまった甘酒は酸っぱくならず、ただのおかゆ状態になる事がほとんどです。
というのは、乳酸菌が甘酒を酸っぱくするには『糖』が必要だからです。
乳酸は糖を分解したときに出来ます。
70℃以上になるとデンプンを糖に変える酵素が働かなくなるので糖が出来ません。
温度が高いのに酸っぱい場合は、甘酒を作っている途中で再加熱して70℃以上になったパターンが多いようです。
甘酒が酸っぱい原因② 腐敗してしまった
甘酒が酸っぱくなるのは乳酸菌だけでなく、雑菌の繁殖によって腐った事が原因である事もあります。
乳酸菌による酸味なのか腐敗によるものなのか、判断する方法の一つは匂いです。
腐敗した場合、明らかに腐敗臭がします。
味も酸っぱいだけではないはずです。
分かりやすい物だと糸を引いたり…
腐りかけた甘酒は救済する事はできません。
食中毒になる可能性すらありますから、速やかに捨てて下さい。
甘酒から酸味を消す事や再利用はできるのか?
腐敗は別として、甘酒が酸っぱくなるのは乳酸菌によって作り出された乳酸が原因です。
乳酸が出来て酸っぱくなった甘酒って飲めるのでしょうか?
乳酸菌で酸っぱい食べ物の代表はヨーグルトです。
ヨーグルトは普通に安心して食べられますよね。
甘酒の場合はどうなんでしょうか?
酸っぱい甘酒は飲める?酸味は消せる?
乳酸菌が繁殖して酸っぱくなった甘酒は、飲む事は出来ます。
言い換えれば飲む気があれば飲めるというですね…
決しておいしい物ではないですから…
なのでこの酸味を消して飲めるようにしたいですよね。
でも残念ですが酸味を消す事は出来ません。
元の甘い甘酒に戻す事は不可能なんです。
なんかショックですよね…
無駄になっちまったよって…
だからと言って酸っぱいまま飲みたくないですし、捨てるものもったいない。
そこで、無理なくこの甘酒を活用して消費する使い方がありますので紹介したいと思います。
酸っぱい甘酒の活用法① 漬物を漬ける
甘酒の酸っぱいのはそのまま食べたり飲んだりするのは厳しいです。
なので漬物の漬け汁として再利用してしまいましょう。
漬物の作り方は本当に簡単。
カップ2杯の酸っぱい甘酒に大さじ1杯の塩を混ぜ、その中にきゅうりなどの野菜を付けるだけ。
薄く切って漬ければ翌日には食べられますよ。
お好みの塩加減と漬け込み加減で漬けて下さいね。
ぬか漬けは乳酸菌が豊富ですが、酸っぱくなった甘酒にも乳酸菌がいますから腸活にいいですね。
ちなみに甘酒に砂糖を入れて甘くして塩少々を加えて漬ければべったら漬け風(酸味アリ)になりますよ。
酸っぱい甘酒の活用法② 甘酒ドレッシングにする
酸っぱいのなら、酢の代わりに使うという手もあります。
酸っぱい甘酒を酢の代わりにするならドレッシングがオススメです。
基本のドレッシングは酸味のある甘酒とサラダオイル、またはオリーブオイルを1:1で混ぜて、塩コショウを加えて混ぜるだけです。
甘酒の酸味が足りないなら酢を少し加えて下さい。
このドレッシングにお好みで醤油やすりおろし玉ねぎを加えてアレンジする事も出来ます。
もし甘酒のお米のツブツブが気になるならフードプロセッサーにかけるといいですよ。
酸っぱい甘酒の活用③ 甘酒でパックする
酸っぱくて飲めない甘酒なら、パックとして使ってしまう方法もあります。
パックする時は肌に合わない事もあるので、事前に手や腕に塗って問題ないか確認してからにして下さいね。
甘酒は飲むだけでなく肌にパックすると保湿などの効果があると言われています。
酒粕のパックがありますが、酒粕だけでなく米麹の甘酒にもビタミン、ミネラル、アミノ酸などの肌にいい成分が含まれています。
また、甘酒の成分だけでなく酸味の原因になった乳酸菌が作った成分には、肌の表面で保湿成分を出している表皮ブドウ球菌のエサになる物が多いそうです。
表皮ブドウ球菌が増える事で肌の保湿成分も増えるそうですよ。
パックの仕方は直接顔に甘酒を塗ったりシートに甘酒を染み込ませてから顔にパックして、5分程置いてぬるま湯で洗い流すだけです。
顔に直接塗ると確実に垂れてきますのでお風呂場でパックする事をおすすめします。
そして直接甘酒を塗った場合は、流した甘酒が排水溝に詰まらないように注意!
排水溝の事を考えるとティッシュなどで拭き取ってから顔を洗うといいですね。
最後に
甘酒が酸っぱい時、まずは乳酸菌による酸味なのか腐敗なのか判断する事が大事です。
どちらかわからない場合は捨てて下さい。
甘酒を酸っぱくしないようにするには温度管理が重要です。
作っている事を忘れて放置してしまうのも危険です。
甘酒は放置していれば勝手に出来上がりますが放ったらかしにせず、たまに温度チェックをしながら作って下さいね。
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