旨味と栄養がたっぷりの牡蠣鍋ですが、ノロウイルスなどによる食中毒が心配…
安全な牡蠣鍋にするには牡蠣を何分加熱したらいいのでしょうか?
また、牡蠣はいつ入れるのがいいのでしょう?
そして加熱用と生食用の牡蠣のどちらを使った方がいいのでしょうか?
これらの牡蠣鍋の疑問について、安心安全においしく食べる為にはどうしたらいいか、こちらでご案内していこうと思います。
牡蠣鍋の牡蠣の加熱時間は何分?
プリプリで旨味がつまった牡蠣、これが牡蠣鍋の楽しみですよね。
火を通しすぎると牡蠣の身が小さく縮まり固くなります。
旨味も逃げてしまうので、せっかくの牡蠣がおいしくなくなってしまいます。
だからと言って火の通し方が中途半端だと、今度は食中毒が心配です。
牡蠣鍋をおいしく、かつ安全に食べる牡蠣の茹で時間は何分なのか、まずはそこから確認しましょう。
牡蠣の茹で時間
牡蠣にあたった場合、その原因の多くがノロウイルスによるものです。
このウイルスによる感染を防ぐためには『二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱』するとよいと厚生労働省が言っています。
ですので、安全に食べる為に、まずは牡蠣の中心部分まで温度が高くなるようにしっかりと火を通す事が必要になります。
実際に条件をクリアする牡蠣を煮る時間なのですが、牡蠣を鍋に投入した後、スープが沸騰してから2、3分となります。
牡蠣を鍋に入れてからではなく、牡蠣の投入後に沸騰してからですよ。
鍋に冷蔵庫で冷たくなった牡蠣を入れて、身の中央部分が85℃に達するまで時間がかかります。
ですので、牡蠣の中心が85℃以上の高温になり90秒経過するまでは、最低でもスープが沸騰しだしてから2分はかかるのです。
牡蠣鍋に牡蠣を入れるタイミングはいつ?
ところで鍋に牡蠣はいつ入れるのでしょう?
始めから他の具材と一緒に鍋に入れておいて、スープが冷たい状態から煮始めてもいいのでしょうか。
それとも途中で入れた方がいいのでしょうか?
タイミングに悩みますよね。
牡蠣は煮過ぎるとおいしくなくなります。
また、スープが冷たいうちから煮ると生臭くなる原因にもなります。
そんな訳で、牡蠣を入れるタイミングは鍋の具材の中で一番最後です。
全ての具材を鍋に入れ、それらに火が通った後で牡蠣を入れます。
そして牡蠣は必ずスープが沸騰した状態の中に入れてください。
牡蠣を入れると鍋の温度が下がりますので、そこから再度沸騰するのを待ちます。
そこからは先程ご案内した通り、フツフツとスープが沸騰している状態で2、3分火を通し、しっかり中まで火を通せばOK。
ちなみに牡蠣は食べるタイミングも大事です。
鍋に入れたままいつまでも泳がせておくと牡蠣の身はどんどん固くなってしまいますので、鍋に牡蠣を入れた後、スープが沸騰して2、3分煮た後はできるだけ早く牡蠣を食べるようにするといいですよ。
牡蠣鍋も生食用を使った方がいい?
お店で売っている牡蠣は「加熱用」と「生食用」の二種類があります。
生食用の方が生で食べられるだけあって新鮮な気がしますよね。
そしてもちろん食中毒の原因となる菌が殺菌されています。
そう考えると牡蠣鍋にする場合も生食用の方がいい気がしてきます。
生で食べられるなら牡蠣を煮る時間が短くても安心ですよね。
でも、わざわざ加熱用と書いてある牡蠣も売っています。
実際のところどちらの牡蠣を使うといいのか迷いますよね。
結論から申し上げますと、鍋にするなら加熱用の牡蠣がおすすめです。
生食用を使うと牡蠣の味が薄くなります。
牡蠣の生食用と加熱用の違い
先程も申し上げましたが、生食用の方が新鮮で、加熱用は鮮度が落ちていると思いますよね。
でも、違いは鮮度ではありません。
鮮度は加熱用も生食用も同じです。
違いは牡蠣が育てられている場所と水揚げされてからの処理方法です。
加熱用の牡蠣
加熱用の牡蠣は岸に近い沿岸部で養殖されています。
沿岸部はエサであるプランクトンが多いので、牡蠣は栄養をたくさん食べて旨味たっぷりに育ちます。
その一方で菌も多くいますので、食中毒の原因になる菌を牡蠣が取り込む事可能性が高くなります。
水揚げされたあとお店に並ぶまでの処理はきれいに水洗いするだけです。
(料理の下処理の時もそうですが、洗いすぎると旨味が無くなります)
そのためプリプリで旨味が多い牡蠣になりますが、生で食べるのは危険ですので加熱用として販売しているのです。
ちなみに牡蠣は身がうっすら黄色っぽいものが栄養をたっぷり摂っていて旨味が多いですよ。
生食用の牡蠣
生食用の牡蠣は加熱用と違い、沿岸から離れた沖合で養殖されます。
沖合は沿岸部と違ってエサのプランクトンが少なく、菌も少ない場所です。
そのため菌を取り込む可能性は低いのですが、栄養も少ないので水分の多いカキになりがちです。
さらに水揚げされてから生で食べられるように殺菌処理をします。
牡蠣を2、3日の間オゾンや紫外線で殺菌された水に入れておくのです。
もちろんエサが無い状態ですので、牡蠣はその間絶食状態です。
その間に旨味がなくなって水っぽくなります。
このように水っぽくなった生食用の牡蠣で鍋にすると、旨味が抜けて鍋も水っぽくなるのでイマイチです。
もし、鍋でも牡蠣のツルンとした食感がお好みなら、生食用でもいいと思います。
やっぱり鍋で牡蠣の旨味を味わいたいというなら、迷わず加熱用の牡蠣を買って、しっかり加熱して食べる事をおすすめします。
最後に
牡蠣による食中毒を防ぐには、しっかり加熱する事が一番です。
しっかりと牡蠣の中心部分まで高温になるように、鍋に入れて沸騰してから最低でも2分は加熱しましょう。
加熱した後は、いつまでも牡蠣を鍋で泳がせておくと固くなってしまいますので、早めに牡蠣は食べるようにするといいですね。
加熱して食べる事も大事ですが、ノロウイルスがいた場合はキッチンで牡蠣の調理に使った物にも菌が付いています。
ですので、下処理に使ったボウルなどは使ったらすぐに洗って熱湯に60秒以上つけたり、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤に調理器具を付けたりして、そこに付いた菌からの被害を防ぐのもお忘れなく。
以上です。